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ブラック倉庫物語1・入社した頃

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僕が初めて倉庫に就職した時、周りの先輩社員は死んだ魚のような目をしていた。

朝、挨拶しても気のない返事をする人ばかりで、お昼休憩で食事をする時は、誰も話しもせずお通夜みたいだった。

入社して最初の3ヶ月間は試用期間で、「社員希望のアルバイト」という立ち位置だった。

朝は8時から、夜は最初の一週間だけは18時まで、一週間を過ぎてからは作業が終わるまで残業した。

ただ、作業が終わったら僕たち社員希望のアルバイトは帰宅することができた。

毎日の作業終了時間は、だいたい22時前後。

この頃から、先輩たちが死んだ魚のような目をしている理由がわかった。

先輩たちは、毎朝7時に出勤していた。

そして、作業終了後に毎日欠かさず社員ミーティングをしていた。

社員が順番に議題を提案し、議長をつとめ、必ず何かしか現場の改善につながるようなミーティングをしていた。実際に効果があったかどうかは怪しいけれども。

先輩たちが会社を出るのは、このミーティングがあるために作業終了後から1〜2時間くらいたってからだった。

これだけ長時間働いていれば、そりゃ死んだ魚の目になるわけだ、と思った。

試用期間でいろいろな仕事の手伝いをしている頃、

「キミらは本当に社員になるの?」

と先輩によく聞かれて、

「いつかは上に立つようになりたいんですよね」

と、生意気にも答えていた。死んだ魚には負けたくないなとも思っていた。

社員希望のアルバイトも、三ヶ月後からは正社員としてミーティングに参加した。

朝も7時から出勤した。

8人いた社員希望は、僕を含めて2人に減っていた。

先輩社員の背中を見て、みんな早々に正社員の道を辞退していった。

完全に、いわゆるブラック会社だった。

そして、文字通り「鬼のような」上司が三人いた。

二人は係長で、僕たちの直接の上司。

その上に本部長という肩書の人がいて、会社の取締役でもあった。

本部長の絶対的な権力のもと、実行部隊である係長が社員たちを締めに締めていた。

ミーティングがいい例だけど、仕事のためならば何でも通った。

昼に食事ができない社員は当たり前のようにいたし、ミーティング後でも仕事の話に付き合わされる社員もいた。
現場に社員がいないな?と思うと、係長の机の前に立たされて思い切り説教されていたこともある。

バイトの前だろうとなんだろうと、お構いなしだった。

僕は社員希望のバイトの頃から、なぜか「鬼」に目を付けられていた。

現場の仕切り方からバイトへの指示の出し方から、いろいろなことを仕込まれた。

物流哲学みたいなこともたくさん語られた。

が、言われてる事の意味はよくわからなかった。

まったく初めて倉庫業にたずさわったので、言ってることの意味がわからないことが本当にたくさんあった。

「伝票」とひとまとめに呼んでる紙っぺらに、「送り状」や「納品書」、「受領書」などの呼び名があることすら知らなかった。
ましてや、それぞれにどんな意味があるかもわかってなかった。

現場が何時に終わりそうかなんて見当もつかなかったし、作業に何人必要かなんて分かるわけなかった。

そんな状態のド素人に、「鬼」は出荷現場の総指揮をやらせようとしていた。

自分が仕事しているところを僕に見せて、見て覚えてやってみろという。

3日くらい見ていたが、さっぱり分からなかった。そして4日後に仕事を任された。というか、やらされた。

ピッキングで在庫がない時にどうするかとか、

出荷停止になった送り状をどう処理するかとか、

誤ピックされた出荷品の確かめ方とか、

素早くフル回転してる出荷現場で、そういうトラブルを瞬時に解決しなくてはいけない仕事だった。

WMSをカタカタ素早く操作して、瞬時に片付けていかなければ間に合わなかった。

文字入力はブラインドタッチできるけど、まったく役に立たなかった。

さらに、当時50人以上いる出荷担当のアルバイト一人ひとりに作業の指示を出すことも含まれていた。

「次はどこのピックしたらいいですか?」

「ロケに物がないんですけど?」

「検品に入った方がいいですか?」

「梱包に入った方がいいですか?」

「ピックが終わらないんですけど予定があるので帰っていいですか?」

などなど、今思えば半分くらい新人いじめかと思うようなバイトからの呼びかけで、僕は人生で初めて、本気で途方に暮れた。

思考停止というか活動停止というか、現場の机の前でボーッと意識が遠くなっていったのをよく覚えている。
50人がせわしなく動き回ってる倉庫の中で、僕だけ完全に置き去りにされていた。

「もうこの仕事ムリだ…」

辞めようとかではなく、「ムリだ」と思った。

ブラック倉庫物語・係長になるまで、に続きます

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